疲れた

やすらかに

おばあちゃんのお通夜と告別式は無事に終わりました。
お通夜の日は、棺の前の線香を切らしてはいけないという事で、夜通し線香の番をしなくてはいけないという事を知りました。
おじいちゃんは憔悴してるし、お父さんやおばさんもほぼ徹夜状態で疲れてるし、私たち三人姉妹でその番をすることになりまして、式場の控室に泊まりました。
おばあちゃんの棺はホールから控室に移動されて、私たちはその隣の部屋で寝ました。
 
ヒロミ姉ちゃんが途中泣き出しました。
「おばあちゃんが死んじゃって悲しいけど、ヒロミには泣く資格がない。たまに和歌山に帰って顔見せに行けば、おばあちゃんが喜んでくれるの分かってたのに、めんどくさがってほとんど行かなかった。電話だっていつでも出来たのに、『また今度でいいや』と思って延ばし延ばしにしてきた。ちょっとしたことなのに、それだけで喜んでくれるのに、そんなことさえしなかった。『綺麗な死に顔や』とか『天国に行ってな』とか、そういう綺麗事も言いたくない。言う資格ない」
んじゃ直接おばあちゃんに言ってきなって言って、一緒に隣の控室に行って、おばあちゃんの棺の前で何やかんやと話しました。
「おばあちゃんごめんなさい」ってヒロミちゃんが言うと、
「ごめんなさいは言ったらあかんよ」とユキエちゃん。
ぐしゅぐしゅ泣いてるヒロミちゃんを後ろから見守ってると
「・・・サエコぉ」
「なに?どしたん?」
「・・・ヒロミ鼻水出まくってる(笑)」
思わず爆笑しました。
ティッシュを渡して、おばあちゃんの前で鼻をかみまくって、また泣きながら大笑いしました。
 
おばあちゃんはとにかくいつも人に気を遣う人で、多分自分の身体が悪くなって寝たきり状態になった頃から、ずっと周りの人に申し訳ないと思い続けてたんじゃないかなと思う。
亡くなる一週間くらい前に状態が悪化して入院して、亡くなる前日に胃潰瘍が見つかったらしいんだけど、それはきっと迷惑をかけてすまないっていう思いが強すぎてストレスになってたんだろう。
その潰瘍の治療をするにも、もともと身体が弱ってるせいで手術は出来なくて、応急処置的なことをしたらしい。
けどそれがうまくいかず、おばあちゃんは最後たくさん血を吐いたのだそうだ。
出来れば老衰で静かに息を引き取って欲しかった。
でも本当に最期の時は、穏やかになって、眠るような感じだったらしいから、まだ良かった。
死に顔は本当に綺麗でした。生きてた頃よりも健康そうで、眠っているような表情でした。
 
告別式の献花の時は、さすがに泣いてしまいました。
火葬場で、火葬される瞬間や、その後の収骨の時にすっかり骨だけになった姿を見た時も。
骨は真っ白で軽くて、さっきまでの姿とは変わり果ててリアリティがないんだけど、でも確かにこれがおばあちゃんなんだっていう別のリアリティがあって、複雑でした。
 
今はきっと無事に向こうに着いただろうと思います。長い間苦労の多い人生だっただろうから、ようやくのんびりと過ごせていると思うと救われます。