晩餐

アッチャンが私とノブさんを夕食に誘ってくれた。多分私の昨日の日記を読んで気を使ってくれたんだろう。
車で迎えにきてくれて、3人で中華料理屋さんに行った。
「ノブ、転勤らしいなぁ」と切り出すアッチャン。ノブさんっていつも妙なハイテンションで周りがちょっと付いてけないくらいなのに、今日は打って変わって静かで言葉少ない。「なんやなんや、ノブめっちゃ暗いやん」とちょっとあせるアッチャン(笑)。
ご飯を食べながら、ノブさんがぽつぽつと語る。
私のこともそうだし、せっかくロイキーンっていうすばらしいサッカーチームに出会えたのに、それを手放すのは嫌だ。というような事を言った。
我慢して東京に行って普通に仕事してれば、きちんとお給料ももらえて、それなりに安定した暮らしができる確率は高い。
だけど、仕事を優先させてばっかりで、自分の大事なものを手放すのが、幸せな生き方だって言えるのか。
「20代の、今の時期の1年って、もっと歳を取ってからの1年とは違う重要さがあると思う。大阪を離れたくないからって今の仕事やめて他の道を探すなんて、上の人から考えが甘いって言われるのはよく分かるし、実際俺だって甘いんだろうなって思うよ」
「でもそんな風に簡単には割り切られへんよな」
アッチャンとノブさんはずっと話を続けてた。私は口を出すべきじゃないと思って、じっと聞いていた。
私はノブさんにアドバイスはできない。私は学生で、社会人の事情はまだまだ分からないし、「ノブさんとできることなら一緒にいたい」っていう主観も混じってしまうから。
ただ私は、私がノブさんの側にいるだけで、存在だけでノブさんが救われるような、そういうものでありたい。すんげぇ奢った考えだけど・・・


色々と話をしたおかげで、帰る頃にはノブさんはちょっとすっきりしたみたいに見えた。結論は出てないけど、こうやって友人と話す機会は大切なんだろうなと思う。
アッチャンは本当に良い人です。ありがとう。