西表島・二日目

田芋パイと豆腐チーズケーキ(at唐変木

午前中は確実に天気が悪いのは分かっていたので、この旅で初めてダラダラと朝を過ごしました。みんな昨日・今日と良い息抜きになりましたですよ。
しかし宿でくさっていてもやることがないので、10時過ぎには出発。浅瀬の数百メートル先にある由布(ゆぶ)島までの水牛渡し(水牛の引く車に乗って浅瀬を渡る)というのがあって、いっちょ水牛渡しでもやってみようかと話していたら、宿の主人に
由布島なんか行ってどうする。何もないぞ。水牛渡しなんか年老いてから行け。若いんだから滝見に行って来い」と言われました。
 
西表にはいくつか滝があります。でもどれもジャングルの奥深くなので、まず川をある程度上ってから山道を歩かねばなりません。
山歩きをするからには、ちゃんとした装備が必要だろうし、半袖やサンダルじゃ到底行けないだろうと思って選択肢に入れていなかったのですが、宿主人によると、長靴は貸してもらえるし、軽装でもじゅうぶん登れるとのこと。
せっかく西表にまで来たんだし、どうせ撮影できる天気でもないし、やることもないし、いっちょジャングルに突っ込んでみようぜ!ということになりました。
 
山登りには色々コースがあって、私たちが選んだのは15分ほど船で川を上ったあと、山歩きコースを40分ほど登るという一番ライトなコース。川をカヤックで上るというのや、もっと本格的に山歩きするコースもありました。
長靴に履き替えて船に乗ります。
川は、裏内川という沖縄最大の雄大な川で、川岸は一面マングローブです。マングローブは海水と真水の混じるようなところに生えるそうです。マングローブを見るのは初めてで、マジ感動しました。しかもすげぇ大量なのだよ。もっさもっさ生えてる。
 
船着場は、もうこれ以上は川を上れないというような岩のゴロゴロしたところにあって、そこで船と運転手のおっちゃんは引き返していきます。あとは私たち4人でひたすら山を登ります。
正直きつかったです。40分歩き続けなので・・・
木々が鬱蒼と茂っていて、アマゾン映画のように鳥が鳴いていました。Tくんを先頭に、私、Yちゃん、Kくんの順で歩きます。Tくんは「隊員!向こうに底なし沼があるぞ!気を付けるんだ!」とか言いながらただのぬかるみをそーっと飛び越えたりしてました。もちろん私たちも「了解です!隊長!」とか「隊長!沼に引きずり込まれました!」とかやってました。アホですな。
板根(ばんこん)という根を持つ木があって、その名のとおり、根っこが太い板状になった木なのですが、それが道の脇にあったので
「板根だ!」とはしゃぎながら撫でたら、Yちゃんが
「板根に触ったら婚期が遅れるらしいよ」
もっと早く言え!
てか板根=晩婚・・・?
 
ようやくカンピレーの滝に到着。しばらく眺めた後、10分ほど道を引き返してマリユドゥの滝で休憩。横幅の広い低い滝ですが、あたり一面森なのでなかなか見ごたえあります。足を休ませつつ買ってきた昼食を食べました。
 
帰り道はまたこれしんどかったんですが、ノリで乗り切りました。
本当に疲れたけど楽しかった。
「西表にまで来て、ジャングルに入らずに帰っちゃうところだったね!危なかったね!水牛に乗って満足するとこだった!」と4人で興奮しつつ船に乗って帰りました。
その後はひたすら眠くて車中はうっとうとしてたのですが、お腹も空いたので「唐変木」という喫茶店に入りました。
手作りケーキ(豆腐のチーズケーキ)と手作りパイ(田芋パイ)ってのがあって、どっちもおいしそうだったので全員2つずつ頼みました。腰抜けるほどおいしかったです。
途中小さい男の子が「田芋パイ!」を連呼しながら母親と一緒に店に入ってきて、お持ち帰りでパイを買って「生きてて良かった!」と言いながら店を出て行ったので、きっと地元人の間では麻薬的存在のパイなんでしょう。
このパイのために西表に移住してもいいくらいでした。
 
「日本一夕陽のきれいなビーチ」という手書きのしょぼい看板が道路わきにひそっと掲げられていたので、夕陽シーン撮影も兼ねて行きました。
ずっと灰色の雲が立ち込めていたのですが、この時間になってようやく青空が顔を覗かせてきて、夕陽がしっかりと拝めました。
夕陽を見に来た人がたくさんいたのですが、羞恥心をすっぱらって演技しましたよ。
 
宿に帰ってご飯を食べた後、「日本最南端の温泉」という触れ込みの西表島温泉に行きました。リゾート会社経営の綺麗な温泉で、露天風呂が充実していました。森に囲まれつつ、綺麗な月を眺めつつ、最果ての地の温泉を楽しみました。ほんっとーに良かった!
 
西表は、海も綺麗で山も綺麗で、おいしい食べ物もたくさんで、ほんとにおすすめの島です。石垣や竹富を見た後、次どこに行こうか悩むなぁ、と思ったら迷わず西表です。
およそ人なんて住めないようなヤマネコぎっしりの未開の地かと思っていましたが、印象変わりました。
 
夜はお酒を買って4人で酒盛り。(まぁ毎晩やってるけど)
疲れ切っていたので、知らないうちに寝ちゃってました。