アルバム「Supreme Show」全曲レビュー

こんにちは、さえこです。


またしても断筆宣言を破る訳ですが、鈴木亜美さんが11月12日にNEWアルバム「Supreme Show」を発売しました。
今回は、以前から度々タッグを組んでいた中田ヤスタカが遂にアルバム全曲プロデュースを手がけたという事で、capsuleperfume好きな私としてはもう諸手を挙げて大歓迎です。
命に代えても大切で世界で一番と言ってもいいくらい愛してる鈴木亜美に、私のハートを鷲掴みしまくってくれる中田ヤスタカが加わったらもう私はどうしたらいいんすか。死にます。
この「Supreme Show」は亜美さんavex移籍後4枚目のアルバムとなりますが、2枚目の「CONNETTA」は全曲レビューを書いたのだけど、3枚目の「DOLCE」は放置してしまいまして…。
その罪滅ぼしも込めて(?)、また今年は鈴木亜美デビュー10周年なので、しっかりレビューしたいと思います。
前回も書きましたが、ファンである以上、開かれたネット世界で鈴木亜美の事を訴えていくのもある意味義務というか、務めでありましょう。

と言う訳でレビュー行きます。

  • 01.TEN

アルバムOPにふさわしい、始まりを予感させる軽快でポップなイントロ。
デビュー10周年だからタイトルが「TEN」(笑)。
余りにもそのままだし曲イメージにも似つかわしくないのですが、分かりやすくキャッチーなメロディラインとスペーシーなアレンジはクラブで程よくトリップ出来る感じでよいです。
つぶやくように単語を並べただけの簡単な歌詞ですが、そのシンプルな言葉の中に、このアルバムの導入曲としてのメッセージのみならず、これまでの亜美さんの軌跡や未来への期待・希望みたいなものも込められている感じがします。

  • 02.can’t stop the DISCO

既発シングルより。

can't stop the DISCO(DVD付)

can't stop the DISCO(DVD付)

これまでの亜美×ヤスタカ曲(「FREE FREE」「ONE」)が志向していたギラギラなエレクトロポップからちょっと変化が見られる、レトロフューチャーディスコサウンド
でも、ただのディスコじゃなくてちゃんとキャッチーでギラギラでちょい危なげに仕上げているあたりはさすがです。
中田ヤスタカプロデュースってどれも一緒じゃーんという声が時々あるけれど、
私の解釈としては
capsule:「クール&パワフルフロアサウンド
Perfume:「切な可愛い系ネオアイドルポップ」
鈴木亜美:「グリッターなちょいエロポジティブ系ポップ」
という棲み分けがされてるかな、と思います。
ちゃんと各人の得意分野を生かした曲作りがされていますよね。
そういう視点で見ると、この「can't stop the DISCO」はヤスタカさんが今のところ亜美でしか実現できないサウンドだと思います。
ややこしい事言ってますが文句なしにカッコいい歌って叫んで踊りまくれる一曲。
PVがあまりにも低予算&この時の亜美のメイクが悪い意味で80年代なのが難点かな…。

  • 03.climb up to the top

前曲からノンストップで繋がるこの曲と続く4曲目は、既発シングル「can't stop the DISCO」と同じ構成。
亜美の声のヴォコーダーの掛け方が、私の好きな亜美っぽさが引き出されたぶりっ子系(笑)キャワアレンジになってて良いです。
そんな可愛らしい声とは対照的に、歌詞とサウンドはめちゃくちゃ攻撃的でヘビーでシビれます。
ビリビリの低音と、警報のように鳴り響く耳障りなくらいの高音。
映画のサントラをイメージして作ったという事ですが、まさにそんな感じ。
アンジェリーナ・ジョリー主演の激しいアクションムービーなんかで使われてそうな。
サビ(?)の最後に叫ばれる「climb up to the top!」がカッコ良すぎです。
終盤で突然がらりと展開の変わる部分は、まさに秀逸の一言。

  • 04.SUPER MUSIC MAKER(SA’08S/A mix)

クラブでも人気が高いらしい「SUPER MUSIC MAKER」の(個人的)待望リミックス。
リミックス名になぜ「SA」が2回出てくるのかは謎です。
イントロどアタマのシンセのメロディラインたまりません。
底抜けに能天気でポジティブで元気はつらつなメロディーに確信犯的キューティーボイスが加わって何かもうせこいくらいに可愛くてカッコよくて踊れるキラーチューン。
「キミみたいになれるのなら二人で踊りたい 恋に落ちるかも キミはステキなスーパーミュージックメーカー」
が、オリジナルとは違うメロディになってて何かいい。

  • 05.Mysterious

これまでの流れから一転、オトナな雰囲気の落ち着いたエロ系ムーディーチューン(何だそれ)。
一般的には「捨て曲」とされる、アルバム全体から言えば目立たない位置と曲ですが、きちんと「こっち系」のニーズにも応えてるなぁという感じで結構好きです。
Perfumeには出来ない、また今までの亜美さんにも出来なかった曲ですよね。
この曲に限らず今回のアルバム全体に言えることですが、ようやく亜美さんとヤスタカさんがきちんと融合したような感じがします。
最初は「鈴木亜美がいきなり中田ヤスタカっぽくなった違和感」みたいなのが残ってたけど、もうそういうのが完全に消え去ったような。
「Mysterious」はそんな融合の完成を見せてくれている気がします。

  • 06.change my life

引き続きオトナで抑えめの雰囲気。
メロディ的にはちょっと古めかしい歌謡曲っぽさがあるのですが、凝った編曲でとことんおしゃれなサウンドに仕上がってます。
抑えめながらスピード感も失われていないアレンジが実にいいです。

  • 07.LOVE MAIL

アルバムオリジナルの新曲の中で「TEN」と並んで(色んな意味で)光ってる曲。
ここからアルバム後半戦に入るというか、これまでの流れを一旦切り替えてきてます。
いっそ全曲完全ノンストップで一気に流れをつけてしまっても良かったとも思うんだけど、
ここでガラリと雰囲気が変わることで、既存のファンや初心者(何の?)に優しい構成になっていますね。

腹が立つくらいに可愛い亜美のシュガーボイスに、これまた腹が立つほど女の子女の子した歌詞、一度聞いたら忘れられないキャッチーなサビと来れば、食いつかない訳にはいかないでしょう。
これを聞きながらドライブして歌わずにいられる人はいないと思います。
それにしてもこの曲…クラブじゃなくて普通のコンサートホールで歌ってる様子が想像できないな。

  • 08.A token of love

既発シングル「ONE」カップリング。
可愛くてあざとくてオシャレで無機質な感じがMEGっぽいと思うのは私だけかな。
声へのエフェクトの掛け方がパネェです。
色彩のない近未来のコンピューターワールド・・・とでも表現できそうな、機械みたいな(?)曲。
アルバム全体から見れば目立たないのであんまり褒めてないみたいになってるけど、結構好きです。

id:aerodynamikさんが以下のように書かれているのですが

「Love Mail」とか甘すぎるから捨て曲、とか、なんて贅沢なんだろう。
中田ヤスタカ楽曲大賞2008に投票するよ - Aerodynamik - 航空力学

まさにその通りで、ヤスタカさんの作るアルバムに「捨て曲」の概念はないのか!ともう逆に小一時間問い詰めたいくらいです。
アルバムの中の一曲としてでなく、この曲だけを取り出してみた時の、クオリティの妥協なさ。

  • 09.TRUE

アルバムオリジナルの新曲の中では個人的に一番好きな一曲かな。
キャッチーなメロディと荘厳ささえ感じるアレンジがストライクど真ん中。
歌詞に見られる終末感はPerfumeに通じるものがあります。
何となく…なぜだか分からないけど鈴木亜美の心情をそのまま映しているような気がして泣けます。
「本当にありがとう」に泣けます。

  • 10.flower

この曲も大好き。
ヤスタカさんお得意のキュンバラード。
言わばPerfumeSEVENTH HEAVEN鈴木亜美バージョンです。
でも亜美さんが歌う事で完全に亜美さんの曲になってるのだよね。

やっぱり鈴木亜美の歌手としての魅力はその「歌声」というか「声質」にあると私は思っていて、
誰が聞いても心地いい音色を持っている、と言い切ってもいいくらいだとさえ思うわけです。
彼女はよく歌唱力を批判されますけど(私も彼女の歌唱力は「カラオケ行ったら結構上手い」程度のもんだと思ってます)、この声質はそんな批判なんて全て遥か久遠の彼方に吹っ飛ばしてしまうくらい素晴らしいと確信しています。
そんな訳で、丁寧にやわらかい声で歌い上げる亜美さんをじっくり堪能できる一曲です。

  • 11.ONE

既発シングル。

ONE(DVD付)

ONE(DVD付)

歌詞もメロディもサウンドも何もかもが最高です。
「瞬間のきらめきたち 昇るわ 手を広げて」
からサビにかけての曲の盛り上がりと、サビ直前の一瞬の静寂で軽くいけそうなくらいシビれます。
脇目をふらず、何にも惑わされず一心に前へ前へ駆け抜けていくような、そんなひたむきさと情熱が感じられます。
そして、鈴木亜美の良さってのはまさにそこにあるのです。


さて久々に熱く語ってみました。
さあ皆さんもレッツアミーゴ!

Supreme Show(DVD付)

Supreme Show(DVD付)

Supreme Show

Supreme Show


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そうそう、11月23日(日)はアルバムリリースパーティに参加してきましたよ。
iFLYER: ミュージックイベント・ライブイベント・クラブイベント情報
LOUNGE NEOはすごく小さなハコで、DJブースとフロアが超近くて、おかげで亜美ちゃんもばっちりたっぷり見ることが出来ました。
亜美の出番中は、フロアで一番踊り狂っていた自信があります…
もう死んでもいいってくらい楽しかったです。
小室哲哉事件で各方面が楽曲使用を控える中、ちゃんと「BE TOGETHER」と「all night long」を歌ってくれた(しかも中田ヤスタカリミックスver.!)のも嬉しかったな。

こちらはまた後日追記という事で。