ファーストキス(同性の)

女の子とキスしたい、けど実際はしたことない、と言い続けてきましたが、最近ハッと思い出しました。
したことあったわ。
という訳で覚え書き。

確か、高1の冬、だったと思う。
相手はミキコさん、通称ミッキー。
4つ年上でした。

私と彼女の関係は
「一人の男を取り合ってた仲」です。ずばり。

当時私には好きな人がおりました。以前付き合っていた人で、一度は別れてお互い別の恋人を作りましたが、お互い別れてて再び気持ちが相手に戻りつつありました。

それだけなら話は簡単ですが、彼は別れた彼女の事をまだ好きでいました。それがミッキーでした。
ミッキーと彼は同い年です。
「どっちも大事なのでどっちとも選べない」と言われていました。
そんじゃぁ気持ちが決まるまで待つよ、と私は言いました。
多分、ミッキーも同じような事を言ってたんだと思います。

当時私は地元に住んでいて、彼とミッキーは東京にいました。なので私はミッキーに会った事はありませんでした。
そこで、彼に会いに東京に行く事が決まった時、私は彼に「ミッキーに会わせて欲しい」と頼んだのでした。

今思えばミッキーにしたら相当迷惑な話ですよ。

しかしミッキーは快く承諾してくれて、あまつさえ私を自分の家に泊めてくれさえしたのです。
彼は寮に住んでいたので、何日も泊まるわけにはいかなかったからです。
何てずうずうしいんだ私は、と思いますが当時は気付きませんでした。

私と彼とミッキーと、3人で会って何をしたかは全く覚えてませんが、彼と別れて2人で電車に乗って、降りて、駅前商店街のレンタルビデオショップで「ナビイの恋」を借りて一緒に見ました。沖縄に行きたいねなどと話しました。

「きょうこが、今時の高校生みたいなスレた子だったらどうしようかと思ったよ」と言われました。

お風呂に入って、寝ることにしました。
ベッドの横にふとんを敷いて、確か私が床に、ミッキーがベッドに寝たような気がします。
何だかんだと話をしていて、
私が
「ミッキーとキスしたい」
とか唐突に切り出したんだと思います。
ミッキーは「ええ!?」とかなり戸惑ってました。そりゃそうだ。
私はふとんから起き上がってミッキーにキスしました。

数日後、彼のバンドのライブの日が、夜行バスで和歌山に帰る日でした。
ライブに行くと、ミッキーも来てました。
ミッキーは私に手紙とケーキをくれました。
「こないだおいしいって話してたケーキ屋さんのケーキだよ。バスの中で食べてね」
何ていい人なんだろう・・・

手紙にはこんな感じの事が書いてありました。
「きょうこはいい子だね。彼がきょうこの事を好きになるのが分かったよ。
きょうこからのキスはうれしかった。
いつか必ず一緒に沖縄に旅行に行こうね。」



結局私と彼はうまく行きませんでした。ミッキーと彼はどうなったんだったかな。何にせよ今は恋人同士ではありません。
だからミッキーとはそれ以来一度も会っていません。
でも、いつかそんな機会が訪れるのなら、もう一度ミッキーに会いたいなと思います。
すごく可愛い人でした。
向こうは私の事忘れてるかも知れないけど。